ボツリヌストキシン注射

ミルディス皮フ科では、保険診療ではグラクソ・スミスクラインが販売する「ボトックス注用100単位」、自費診療ではアラガン社製造・アラガン・ジャパン販売の「ボトックスビスタ注用50単位」を使用しています。
当院で使用しているボトックスビスタ®は、日本で唯一、美容目的で厚生労働省の認可を受けた製剤です。
笑ったときにできる目尻のシワや、悩んだときなどに生じる眉間のシワは、若い頃は無表情に戻ると自然に消えますが、年齢を重ねるとクセがつきやすくなり、同じ場所に繰り返しシワが刻まれていきます。
このような表情ジワを予防・改善するのが、ボツリヌストキシン注射です。A型ボツリヌス菌毒素製剤であるボツリヌストキシンを筋肉に注射することで、神経から筋肉への信号伝達が一時的に遮断され、筋肉の動きが抑制されます。そのため、額・眉間・目尻などの表情ジワの改善に効果があります。注射後2〜3日で効果が現れ、持続期間は2〜4カ月程度です。
また、ボツリヌストキシン注射は多汗症の治療にも活用されます。ワキの汗やにおいの原因であるエクリン汗腺やアポクリン汗腺のうち、特にエクリン汗腺の働きを抑えることで発汗を大きく減らすことができます。効果はおおよそワンシーズン持続します。
さらに、咬筋が発達してエラが張り、大顔に見える方にもボツリヌストキシン注射はおすすめです。咬筋の動きを抑えることで徐々にフェイスラインがすっきりし、小顔効果が期待できます。効果には個人差がありますが、注射後2カ月ほどで変化を実感される方もいらっしゃいます。3〜4カ月ごとに継続して施術を受けていただくことで、より効果的です。
こんな効果が期待できます
- 表情ジワの改善
- 咬筋の発達によるエラの改善
- ワキの汗、臭いを抑える
この施術をお受けいただけない方
- 全身性の筋肉の病気(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群など)をお持ちの方
- 妊娠中や授乳中の方は、胎児および乳児に対する安全性が確立されていないため、施術をお受け頂けません。また、妊娠する可能性のある方は、ボツリヌストキシン投与中および最終投与後から2回の月経を経るまでは避妊をお願いします。
- 男性は、ボツリヌストキシンの投与中および投与終了後の3ヶ月間は避妊するようにして下さい。
- 喘息など慢性的な呼吸器の病気がある方、重度の筋力低下のある方、筋肉の萎縮のある方、緑内障の方は、申し出てください。
- 内服の種類によってはお受けできないことがあります。(抗生物質、筋弛緩剤、精神安定剤など)事前にお申し出ください。
額・眉間・目尻などの表情ジワ
ボツリヌストキシン=A型ボツリヌス菌毒素製剤を注射すると、神経筋接合部での神経伝達物質の放出を阻害し、筋肉の動きを抑制する作用があることから、主に前額や眉間、目尻のシワ治療に用いられています。
ワキの多汗症
多汗症抑制注射はワキの汗、臭いを抑えることもできます。ワキの汗や臭いはエクリン汗腺、アポクリン汗腺の2種類の汗腺から出ていますが、ボツリヌストキシン注射を行うとエクリン汗腺の働きを止め汗がほとんどで出なくなります。※保険適応の場合、100単位までの注入となります。100単位以上を希望される方は自費診療となります。
咬筋の発達によるエラ・小顔
ボツリヌストキシンを注射すると、咬筋の動きが抑制されてエラがすっきりしてきます。効果には個人差があります。
ボツリヌストキシン注射治療例
額の治療例
目尻の治療例
眉間の治療例
多汗症抑制注射(保険・自費診療)
多汗症抑制注射を受ける前に
平成25年より、当院も保険診療として「重度の原発性腋窩多汗症」に対するボツリヌストキシン注入療法を導入しております。
患部の剃毛を行なった状態でご来院をお願い致します。
保険の場合 | 施注上限が100単位に設定されており、追加投与に関しては薬効が消失してきた4ヶ月以降でしか認められていません。 |
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自費の場合 | 100単位以上の施注が可能です。追加投与が必要な場合は2週間以内にすることが可能です。 |
保険で多汗症抑制注射を受ける方へ
下記事項のご理解をお願い致します。
- 1回100単位までとなります。より高容量が必要な方は自費での施術となります。
- 次回の投与までは必ず4ヶ月以上期間を空けて下さい。
- 施術前に冷却します。表面麻酔外用処置はありません。
- 診察で適応と診断されてから施術の申込み(予約)をして下さい。
※保険で治療を受けた方が自費での追加投与をする事は混合診療となるため認められていません。
※当院では、掌蹠多汗症に対するボツリヌストキシン注入療法は行なっていません。
現在、手足の多汗症に対して当院で行なっているのは、各種濃度の塩化アルミニウム溶液の外用療法のみとなります。使用方法などの説明書を用意していますので、ご要望の際はお尋ねください。重度の手掌多汗症の方は胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)を行なう施設へご紹介しています。
ボツリヌストキシン注射の施術の流れ
ボツリヌストキシン注射の所要時間、施術間隔や施術の流れは下記のとおりです。医師による事前カウンセリングがあります。
所要時間 | 表情シワ:範囲によりますが20分程。 多汗症抑制注射:両脇で20~30分程。 |
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施術間隔 | 表情ジワ:注射後2~3日で注射した部位が動きにくくなり、その後2~4カ月程度。 多汗症抑制注射:注射後、数日~2週間で汗がほとんど出なくなります。ワンシーズン(約3か月)程度。 咬筋の発達によるエラ:注射2カ月後くらいから少しずつ小顔を実感される方もいらっしゃいますが、2~3カ月におきに計3回くらい続けて治療をお受けいただくとより効果的です。 ※たんぱく質が主成分であるため、治療を続けていくうちに体内にごくまれに抗体がつくられ、効果が減弱する可能性があります。同部位のボツリヌストキシン注入は3か月は空けてください。 |
顔ボツリヌストキシン注射の流れ
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カウンセリング
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写真撮影
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施術部位のふき取り
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医師により注射
多汗症抑制注射の流れ
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カウンセリング
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着替え
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冷却
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医師により注射
エラボツリヌストキシン注射の流れ
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カウンセリング
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写真撮影
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冷却
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医師により注射
施術の痛みやダウンタイムについて
痛み
- 針を刺す時と薬剤が入ってくる時に痛みがあります(希望により外用麻酔薬を併用可)。
ダウンタイム
- ほとんどありません。直後からメイクできます。稀に針刺入に伴う軽度の内出血が見られることもございます。
ボツリヌストキシン注射の料金
ボツリヌストキシン注射
25単位まで | 33,000円(税込) |
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50単位まで | 55,000円(税込) |
腋窩多汗症ボツリヌストキシン(麻酔クリーム込)
100単位 | 66,000円(税込) 自費の場合 |
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150単位 | 77,000円(税込) 自費の場合 |
200単位 | 99,000円(税込) 自費の場合 |